バッテリーが膨らんだiPadは使い続けて大丈夫?危険性と対処法

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バッテリーが膨らんだiPadは使い続けて大丈夫

画面の端が浮いてきた、本体が反っている、机に置くとガタつく。それはバッテリーが膨らんでいるサインかもしれません。何が起きているのか、やってはいけないことは何かを、公的機関の資料をもとにまとめました。

最終更新:2026年8月28日

「画面の端が少し浮いている気がする」「机に置くとカタカタする」——iPadを使っていて、そんな変化に気づいたことはないでしょうか。

見た目の変化が小さいと、つい様子を見てしまいがちです。ですがバッテリーの膨らみは、内部で異常が起きているサインです。この記事では、公的機関が公表している資料をもとに、何が起きているのかと、どう対処すればよいのかを整理します。

こんな症状は膨らみのサインです

iPadのバッテリーは本体の内側に入っているため、膨らんでも直接は見えません。代わりに、外側に次のような変化として現れます。

  • 画面の端が浮いてきた。フレームとの間にすき間ができている
  • 机など平らな場所に置くとガタつく、反っている
  • 背面が盛り上がって見える
  • ケースに入れづらくなった、外しづらくなった
  • 画面のタッチが一部効きにくくなった

あわせて、NITE(製品評価技術基盤機構)は、リチウムイオン電池を搭載した製品について、次のような異常を見つけたらすぐに充電・使用を中止するよう案内しています。

  • 充電できない
  • 充電中に以前よりも熱くなる
  • 膨らんで変形している
  • 落とす、ぶつけるなどで強い衝撃を与え、一部が変形している
  • 不意に電源が切れる

ひとつでも当てはまる場合は、充電と使用をいったん止めてください。NITEは、こうした異常を見つけた場合はすぐに充電・使用を中止し、購入した販売店や製造・輸入事業者に相談するよう案内しています。

出典:NITE「製品安全情報マガジン Vol.481「リチウムイオン電池搭載製品の事故」」(2026年8月28日に確認)

なぜ危険なのか

NITEは、膨らんだ電池の状態について、はっきりと説明しています。膨らんだリチウムイオン電池の内部には可燃性のガスがたまっており、この状態の電池に強い外力を加えると、可燃性ガスが噴き出して発火するおそれがある、というものです。

リチウムイオン電池の内部は、正極板と負極板をセパレーターという仕切りで隔てた構造になっています。この正極板と負極板が何らかの理由で電気的につながることを内部ショートと呼び、異常発熱や発火につながるとNITEは説明しています。膨らみは、その一歩手前の状態と考えられます。

事故の件数も公表されています。2020年から2024年までの5年間にNITEへ通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は1,860件あり、そのうち約85%(1,587件)が火災事故に発展しています。事故は気温の上昇とともに春から夏にかけて増え、6月から8月にかけてピークを迎える傾向があるとされています。

やってはいけないこと

膨らみに気づいたあと、良かれと思ってやってしまいがちな行動の中に、危険なものがあります。

  1. 膨らみを押し戻そうとしない。NITEは「膨張を元に戻そうとして強い力が加わったことで異常発熱して出火した事故も発生しています」と明記しています。もっとも避けたい行動です。
  2. 穴を開けない、分解しない。内部に傷が付くと内部ショートが起き、発煙や発火につながります。
  3. 落とす、ぶつけるなどの衝撃を与えない。持ち運ぶときは慎重に扱ってください。
  4. 高温の場所に置かない。直射日光の当たる場所や、暑い日の車内は避けてください。高温環境下では熱の影響で異常な反応が起き、発熱・破裂・発火するおそれがあるとされています。
  5. 充電を続けない。異常を感じた時点で充電をやめてください。

万が一、発火した場合について。NITEは、煙や炎が噴き出しているときは絶対に近寄らないこと、モバイルバッテリーのようにポケットに入る小型サイズのものであれば火花が収まったあとに大量の水をかけることで消火でき、消火後は可能な限り水没させた状態で消防機関へ通報することを案内しています。

そのうえで、この対処が困難と判断した場合は、身の安全の確保を第一に119番通報するよう案内されています。iPadは小型のモバイルバッテリーとは大きさが異なりますので、無理をせず安全の確保を優先してください。

膨らんだiPadは、どうすればよいか

「使うのをやめる」だけでは片づきません。次の順番で進めるのが現実的です。

  1. 充電をやめ、電源を切ります。操作できる状態であれば、この時点でいったん止めます。
  2. 可能なうちにバックアップを取ります。ただし、充電しながら長時間使うようなことは避けてください。バックアップが難しい状態であれば、無理をせず次へ進みます。
  3. 高温にならない場所で保管します。可燃物のそばや、暑くなる場所は避けてください。
  4. 早めに修理の相談をします。膨らみは時間とともに進むことがあり、放置して良くなるものではありません。
  5. 持ち込む前に「バッテリーが膨らんでいる」と伝えます。店舗によって受け入れの条件や扱いが異なるため、先に状態を伝えておくと確実です。

配送で修理に出す場合、膨らんだ電池を含む機器は輸送上の取り扱いが通常と異なることがあります。配送を選ぶ前に、送り先の窓口に状態を伝えて確認してください。

バッテリー修理の費用(Apple公式)

Appleに依頼する場合の料金は公式サイトに掲載されています。保証に加入していない場合の金額は次のとおりです。

モデル バッテリー修理
iPad(第9世代) 15,000円
iPad(第10世代・Wi-Fi) 20,800円
iPad(A16・Wi-Fi) 20,800円
iPad mini(第6世代・Wi-Fi) 20,800円
iPad mini(A17 Pro・Wi-Fi) 20,800円
iPad Air(第5世代・Wi-Fi) 20,800円
iPad Air 11インチ(M2・Wi-Fi) 20,800円
iPad Air 13インチ(M4・Wi-Fi) 25,800円
iPad Pro 11インチ(M4・Wi-Fi) 30,800円
11インチ iPad Pro(M5・Wi-Fi) 30,800円

出典:Apple「AppleによるiPadのサービスと修理」(2026年8月28日に確認)。いずれも消費税は別途かかります。AppleCare+に加入している場合は、バッテリーの最大容量が本来の容量の80%未満になったときに交換の対象となる扱いがあり、条件が変わります。街の修理店の料金は店舗によって異なり、当サイトでは掲載していません。

修理先の選び方についてはApple正規と街の修理店、どちらを選ぶべきか、費用の考え方についてはiPadの画面割れ修理はいくらかかる?もあわせてご覧ください。

膨らみを防ぐためにできること

NITEは、リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐポイントとして、次の3つを挙げています。

  • 正しく購入する

    連絡先が確かなメーカーや販売店から購入する。リコール対象でないことを確認し、購入後も最新の情報を確認する。安価な非純正バッテリーが抱えるリスクを理解する。

  • 正しく使用する

    高温下に放置するなどして熱を与えない。直射日光の当たる場所や暑い日の車内を避ける。落としたり無理な力を加えたりして強い衝撃を与えない。

  • 正しく対処する

    充電・使用時はときどき様子を見て、異常を感じたらすぐに充電・使用を中止し、販売店や製造・輸入事業者に相談する。

NITEは非純正バッテリーのリスクについても、設計に問題があり異常発生時に安全保護装置が作動しない場合がある、品質管理が不十分で通常の使用でも事故に至る場合がある、事故が発生した際に事業者の対応や保証が受けられない場合がある、という3点を挙げています。修理で電池を交換する際に、どのような部品を使うのかを店舗に確認しておくと安心です。

よくある質問

  • 少し膨らんでいるだけなら、まだ使えますか?

    NITEは「膨らんで変形している」ことを、すぐに充電・使用を中止すべき異常のひとつとして挙げています。膨らみの程度にかかわらず、まず使用を止めて相談されるのが安全です。膨らみは時間とともに進むことがあり、放置して良くなるものではありません。

  • バッテリーを交換すれば元どおりになりますか?

    膨らみによって画面が内側から押し上げられている場合、画面やフレーム、本体の枠にも影響が出ていることがあります。電池の交換だけで済むのか、ほかの部品も必要かは、実機を確認したうえでの判断になります。

  • 膨らんだままでも下取りや買取に出せますか?

    店舗によって扱いが異なります。保管や輸送に配慮が必要な状態ですので、必ず事前に「バッテリーが膨らんでいる」と伝えたうえでご確認ください。状態を伝えずに送ることは避けてください。

  • 使わなくなったiPadは、どうやって処分すればよいですか?

    リチウムイオン電池を内蔵した機器は、一般のごみとして捨てることはできません。膨らんでいる場合はなおさらです。お住まいの自治体の案内や、メーカーのリサイクル窓口をご確認ください。Appleはバッテリーのサービスとリサイクルのページで案内しています。

お住まいの都道府県から、iPad・タブレットの修理に対応している店舗を探せます。

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出典

  • NITE(製品評価技術基盤機構)「製品安全情報マガジン Vol.481 リチウムイオン電池搭載製品の事故」www.nite.go.jp(2026年8月28日に確認)。膨らんだ電池の危険性、やってはいけないこと、異常のチェック項目、発火時の対処に関する記述は、このページの内容にもとづいています。
  • NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心 ~「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故を防ぐ3つのポイント~」www.nite.go.jp(2026年8月28日に確認)。事故件数と季節ごとの傾向、3つのポイントはこのページによります。
  • Apple「AppleによるiPadのサービスと修理」support.apple.com/ja-jp/ipad/repair/service(2026年8月28日に確認)
  • Apple「バッテリー – サービスとリサイクル」www.apple.com/jp/batteries/service-and-recycling/(2026年8月28日に確認)
  • この記事は一般的な情報をまとめたものです。実際の状態はお使いの機器によって異なりますので、判断に迷う場合は使用を止めたうえで、販売店や修理店にご相談ください。

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