🛡 修理コラム
総務省登録修理業者とは何か|制度の中身と確認のしかた
修理店の中には「総務省登録修理業者」と表示している店舗があります。これは国の登録制度にもとづくもので、電波法と電気通信事業法という2つの法律が関わっています。制度の中身と、自分で確認する方法をまとめました。
修理店を調べていると、店頭やホームページに「総務省登録修理業者」と書かれているのを見かけることがあります。数字の並んだ登録番号が一緒に掲げられていることもあります。
これは店舗が独自に名乗っているものではなく、国の登録制度にもとづく表示です。何のための制度で、登録されていると何が違うのか。総務省が公表している資料をもとに整理します。
なぜこの制度ができたのか
総務省は、制度化の背景を次のように説明しています。携帯電話端末の修理は製造業者に依頼するのが一般的でしたが、スマートフォンの急速な普及にともない、製造業者以外の第三者である修理業者が修理や交換を行う事例がみられるようになりました。
その一方で、第三者が修理することによって、修理後の端末が電波法で定める技術基準に適合するかどうかが不明確になることが懸念されていました。電波を出す機器である以上、修理の内容によっては規格から外れてしまう可能性があるためです。
そこで、修理の箇所と方法が適正で、修理後の無線設備が技術基準に適合していることを修理業者自身が確認できるなど、電波法で定める基準に適合する場合には総務大臣の登録を受けられるようにしたのが、この登録修理業者制度です。平成26年の電波法改正により創設され、平成27年(2015年)4月1日から施行されています。
2つの法律にまたがる制度です
携帯電話端末は、電波法の適用を受ける「無線設備」であると同時に、電気通信事業法の適用を受ける「端末設備」でもあります。そのため制度も両方の法律で用意されており、登録修理業者として修理を行うには、電波法と電気通信事業法のそれぞれで登録の手続きが必要だと総務省は説明しています。
店舗の表示で「電波法 R000○○○ / 電気通信事業法 T000○○○」のように2つの登録番号が並んでいることがあるのは、このためです。片方だけの店舗もあります。
技適マークとの関係
この制度がいちばん効いてくるのが、技適マーク(技術基準適合証明などの表示)の扱いです。総務省の説明をそのまま整理すると、次のようになります。
- 登録修理業者が修理方法書に従って修理と確認を行った機器は、修理後も技術基準に適合していることを業者自身が確認しているため、もとから付いていた技術基準適合証明の表示をそのまま維持できる(電波法第38条の44第3項)
- 登録修理業者が修理した端末には、登録修理業者が修理を行ったことを示す表示を付ける必要がある(同第38条の44第1項)
- 一方、登録修理業者以外の者が変更の工事を行った場合は、技術基準適合証明・工事設計認証・技術基準適合自己確認に係る表示を除去しなければならないと定められている(同第38条の7第4項)
これらは修理を行う事業者側の義務を定めたものです。利用者が罰せられるという話ではありません。
ただ、制度の中身を知っておくと、店舗を選ぶときの判断材料にはなります。とくに端末を人に譲る予定がある場合や、長く使い続けたい場合には気にしておいてよい点です。
登録は「機種ごと」に行われます
見落とされやすいのが、この点です。総務省は、登録申請のときに登録修理業者として修理しようとするすべての機器を登録すること、新しい機種を追加するときは変更登録申請を行うことを求めています。
そのうえで、登録のない機器の修理は、登録修理業者制度に基づかない修理となると明記されています。つまり「その店舗が登録修理業者であること」と「あなたの機種が登録されていること」は別の話だということです。
総務省の検索ページでは、事業者名だけでなく、その業者が登録している機種まで確認できます。総務省自身も「登録修理業者とその業者の登録機種の確認ができます。詳細は業者の店頭やHPでもご確認ください」と案内しています。
自分で確認する手順
登録されているかどうかは、誰でも総務省のページで調べられます。手順は次のとおりです。
- 総務省 電波利用ポータルの登録修理業者リスト検索を開きます。
- 「事業所の所在地」でお住まいの都道府県を選びます。
- 区分は「有効」を選びます。過去に登録があっても現在は有効でない場合があるためです。
- 「修理の箇所」のチェックは1つだけにします。ここはすべての条件を満たす業者だけを表示する仕組みになっており、項目を多くチェックするほど結果が絞られてしまいます。画面まわりを見たい場合は「表示装置」だけを選びます。
- 検索結果で、事業者名・登録番号と、登録されている機種を確認します。
店舗側が登録番号をホームページに掲げていることもあります。ただし番号が画像の中に書かれていて、ページ内の文字検索では見つからない場合があります。見当たらないときは、店舗に直接お尋ねいただくのが確実です。
よくある質問
-
登録修理業者でなければ、修理をしてはいけないのですか?
この制度は、登録を受けた業者が制度にもとづく修理を行えるようにするためのものです。登録のない業者が修理をすること自体を禁じるものではありません。ただし電波法には、登録修理業者以外の者が変更の工事を行った場合、技術基準適合証明などに係る表示を除去しなければならないという定めがあります。
-
Wi-Fiモデルのタブレットも対象になりますか?
制度の対象は電波法で定める特別特定無線設備で、携帯電話端末などが該当します。そのうえで登録は機種ごとに行われますので、お使いの機種が対象かつ登録されているかどうかは、総務省の検索ページか、店舗への確認でお調べください。
-
登録修理業者なら、Appleの保証は残りますか?
別の制度なので、そのまま結びつけることはできません。Appleは、Apple直営店とApple正規サービスプロバイダによる修理のみがAppleの保証対象になると説明しています。総務省の登録は国の制度、Appleの保証はApple自身の制度で、それぞれ分けて考える必要があります。くわしくはApple正規と街の修理店、どちらを選ぶべきかをご覧ください。
-
登録があると、修理の品質が保証されるということですか?
この制度が定めているのは、修理の箇所と方法が適正で、修理後も技術基準に適合していることを業者自身が確認できる体制があるか、という点です。仕上がりの良し悪しや修理後の店舗独自の保証は、制度とは別の話になります。料金や保証の内容は各店舗にご確認ください。
お住まいの都道府県から、iPad・タブレットの修理に対応している店舗を探せます。
出典
- 総務省 電波利用ポータル「登録修理業者制度」www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/repairer/(2026年8月28日に確認)。制度化の背景・施行日・技適マークの扱い・機種ごとの登録に関する記述は、このページの内容にもとづいています。
- 総務省 電波利用ポータル「登録修理業者リスト検索」www.tele.soumu.go.jp/nintei/(2026年8月28日に確認)
- 総務省「登録修理業者の情報の公表」www.soumu.go.jp/main_sosiki/sogo_kiban/repairer_info.html(2026年8月28日に確認)
- Apple「Appleの修理と修理状況の確認」support.apple.com/ja-jp/repair(2026年8月28日に確認)
- 法令の条番号は総務省の上記ページに記載されているものです。制度の詳細は改正される場合がありますので、最新の内容は総務省のページでご確認ください。
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