iPadを水に落としたときにやってはいけないこと|正しい対処法

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iPadを水に落としたときにやってはいけないこと

水に落とした直後の数分で、その後の結果は大きく変わります。良かれと思ってやったことが、かえって状態を悪くすることも少なくありません。NG行動と、公式の案内にもとづく手順をまとめました。

最終更新:2026年8月28日

洗面所に落とした、飲みものをこぼした、雨に濡れた。iPadが水に触れてしまったとき、多くの方がまず「電源を入れて動くか確かめる」という行動をとります。

気持ちは分かるのですが、これがいちばん避けたい行動です。この記事では、やってはいけないことと、その理由を先に整理し、そのうえで実際の手順をご説明します。

前提:iPadに耐水性能は公表されていません

最初に押さえておきたい点です。AppleはiPhone 7以降については防沫・耐水・防塵性能を公表していますが、iPadについては同じような耐水の等級を公表していません。「iPhoneは風呂場でも平気だったから」という感覚を、そのままiPadに当てはめることはできません。

AppleのiPadの安全性に関する重要な情報には、落としたり、燃やしたり、穴を空けたり、割ったり、濡れたりすると、iPadまたは内部のバッテリーが損傷する場合があると書かれています。そして、iPadまたはバッテリーが損傷したと思われる場合は使用を中止するよう案内されています。そのまま使用すると過熱や負傷を引き起こすおそれがある、という理由です。

つまり、「水に触れた=内部に入っているかもしれない」という前提で動くのが正解です。動いているかどうかを確かめる前に、まず止める。ここが分かれ目になります。

やってはいけない6つのこと

  1. 電源を入れる、使い続ける。内部に水分が残ったまま通電すると、回路がつながってはいけないところでつながり、被害が広がることがあります。Appleも、損傷したと思われる場合は使用を中止するよう案内しています。
  2. 充電する。Appleは耐水性能のあるiPhoneについてさえ、ケーブル類をすべて取り外し、完全に乾くまでは充電しないよう案内しています。濡れた状態で充電したりアクセサリを使ったりすると、機器が破損するおそれがあるためです。
  3. ドライヤーなど高温の熱源で乾かす。Appleは高温の熱源で乾かさないよう案内しています。またiPadは環境温度0℃〜35℃で動作するよう設計されており、この範囲を超える場所での使用・保管は、機器の損傷やバッテリー駆動時間の低下につながるとされています。早く乾かしたい気持ちは分かりますが、逆効果になります。
  4. 綿棒やティッシュをポートに差し込む。Appleは綿棒やペーパータオルなどの異物をコネクタに挿入しないよう案内しています。奥に押し込んだり、繊維が残ったりして、かえって状態を悪くします。
  5. 強く振り回して水を出そうとする。内部で水が広がる可能性があります。Appleが案内しているのは「コネクタを下に向けて手のひらに置き、優しく叩いて余分な水を排出させる」という方法で、勢いよく振る動作とは別のものです。
  6. 自分で分解して乾かそうとする。Appleは、iPadの修理を行えるのはトレーニングを受けた技術者のみであり、分解するとiPadが破損したり、けがをしたりするおそれがあると案内しています。

「米に入れる」について。乾燥剤の代わりに生米へ入れる方法が知られていますが、Appleの案内にこの方法は含まれていません。Appleはコネクタに綿棒やペーパータオルなどの異物を入れないよう案内しており、粒状のものをポートに触れさせることには同じ懸念があります。

そもそも、外側が乾いても内部に入った水分や不純物がなくなるわけではありません。乾くのを待っている間に状態が進むこともあるため、乾燥そのものを解決策と考えないほうが安全です。

落としてしまったときの手順

実際にやることは多くありません。順番が大事です。

  1. すぐに水から出し、電源を切ります。操作できる状態であれば、この時点で切ります。
  2. ケーブルやアクセサリをすべて取り外します。ケースやカバーも外して、水が溜まらないようにします。
  3. 糸くずの出ない柔らかい布で、外側の水分を拭き取ります。レンズクロスのようなものが適しています。
  4. コネクタを下に向けて手のひらに置き、優しく叩いて余分な水を排出させます。
  5. 風通しのよい乾いた場所で自然乾燥させます。扇風機の涼風をコネクタに直接当てると乾きが早くなる場合があります。熱風ではなく涼風です。
  6. 充電やアクセサリの接続は、時間を置いてから行います。Appleは耐水性能のあるiPhoneについて、最低5時間は経ってからと案内しています。耐水の等級が公表されていないiPadでは、さらに慎重に判断してください。
  7. できるだけ早く修理店に相談します。依頼するときは、水に濡れたことを必ず伝えてください。伝えずに預けると原因の切り分けに時間がかかり、結果として費用や日数が増えることがあります。

3番目から6番目までは、AppleがiPhone 7以降の防沫・耐水・防塵性能についてのページで案内している内容です。iPhone向けの案内ですが、水分を外に出して自然に乾かすという考え方は共通しています。

なぜ「早さ」が効くのか

水没の相談でよく聞くのが、「その日は普通に使えていたのに、数日後に動かなくなった」という話です。これには理由があります。

  • 水は少しずつ内部へ進みます

    外側が乾いても、内部に入った水分がすぐになくなるわけではありません。見た目では判断できません。

  • 通電すると被害が広がります

    水分が残った状態で電気を流すと、本来つながってはいけない箇所がつながることがあります。電源を入れないのはこのためです。

  • 水以外の成分が残ります

    水道水にも、ジュースや海水にも不純物が含まれます。水が蒸発しても成分は基板の上に残り、時間とともに影響が出ることがあります。

  • バッテリーにも影響します

    濡れることで内部のバッテリーが損傷する場合があるとAppleは案内しています。膨らみや発熱が出た場合は、使用を止めてご相談ください。

バッテリーに異常が出た場合の扱いは、バッテリーが膨らんだiPadは使い続けて大丈夫?で詳しく説明しています。

保証はどうなるのか

AppleCare+に加入している場合は、Appleの案内によると、落下や水濡れなど過失や事故による損傷に対する修理などのサービスを、利用回数の制限なく受けられます。加入されている方は、まずご自身の契約状況をご確認ください。

加入していない場合は、保証対象外の修理サービス料金がかかります。Appleの見積りページに掲載されている金額は、この保証対象外修理サービスの料金です。iPadの区分では、水濡れによる損傷も画面割れと同じ「その他の損傷」にまとめられています。金額の目安はiPadの画面割れ修理はいくらかかる?の表をご覧ください。

修理に出す前の準備については修理に出すとデータは消えるのかにまとめています。ただし水濡れの場合は、バックアップのために電源を入れて長時間操作することが状態を悪くする可能性があります。操作できるうちに手早く済ませるか、難しければ無理をせず、そのまま相談してください。

よくある質問

  • 乾かしたら普通に使えています。それでも修理は必要ですか?

    内部に水分や不純物が残っていると、時間が経ってから不具合が出ることがあります。動いているうちにデータのバックアップを取り、状態を確認してもらうことをご検討ください。少なくとも、いつどのように濡れたのかを覚えておくと、後で相談するときに役立ちます。

  • 海水やジュースをこぼした場合は、水で洗い流してもよいですか?

    iPadには耐水の等級が公表されていませんので、水で洗い流すような対処は避けてください。表面についた液体は、糸くずの出ない柔らかい布で拭き取るにとどめ、早めにご相談ください。真水以外の液体は成分が残りやすく、内部への影響が大きくなることがあります。

  • 画面が映らなくなりました。中のデータは取り出せますか?

    状態によります。本体の基板が無事であれば可能性はありますが、通電を繰り返すほど条件は厳しくなります。電源を入れ直して確かめたくなりますが、それが取り出せる可能性を下げることがあります。早めにご相談ください。

  • 修理店に持って行くとき、伝えるべきことはありますか?

    「いつ」「どんな液体に」「どのくらいの時間」濡れたのか、そのあと電源を入れたか、充電したかを伝えてください。判断の材料になります。濡れた事実を伏せると、原因の切り分けに時間がかかることになります。

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出典

  • Apple「iPadの安全性に関する重要な情報」support.apple.com(iPadユーザガイド)(2026年8月28日に確認)。濡れることによる損傷、損傷が疑われる場合の使用中止、分解に関する記述はこのページによります。
  • Apple「iPadの取り扱いに関する重要な情報」support.apple.com(iPadユーザガイド)(2026年8月28日に確認)。動作温度と保管温度、清掃に関する記述はこのページによります。
  • Apple「iPhone 7以降の防沫・耐水・防塵性能について」support.apple.com/ja-jp/108039(2026年8月28日に確認)。乾かし方、充電を控える時間、熱源や異物に関する案内はiPhone向けのものです。本文でもその旨を明記しています。
  • Apple「AppleCare+」www.apple.com/jp/applecare/(2026年8月28日に確認)
  • Apple「AppleによるiPadのサービスと修理」support.apple.com/ja-jp/ipad/repair/service(2026年8月28日に確認)
  • この記事は一般的な情報をまとめたものです。実際の状態は機器や濡れ方によって異なりますので、判断に迷う場合は使用を止めたうえで修理店にご相談ください。

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